どうも、Tです。
vSphere7で色々と追加機能もできましたが、インストールやバージョンアップ内容も少々変わっていたので、知識のまとめとして備忘録です。
目次
やりたいこと
vSphere ESXiをインストール、バージョンアップなどをするときの用語と使われるファイルの違いを理解する。
環境
- VMware ESXi, 7.0.1, 16850804
一応vSphere7をベースに確認していますが、以前からの知識も詰め込んでいるのですべて最新情報ではないかもしれません。
アップグレード・アップデート・パッチ適用の違い
ソフトウェアのバージョンを上げることをバージョンアップと言いますが、vSphereではアップグレード、アップデート、パッチ適用の大きく3つの種類に分けられます。
vSphere ESXiのバージョン名は、「VMware ESXi, 7.0.1, 16850804」のようになっていますが、正式な呼称の分け方はないようですが「VMware ESXi, <メインバージョン>.<アップデート>, <ビルド番号>」の並びになっています。
現在のバージョン一覧は下記から確認できます。
アップグレード
VMware ESXi, 7.0.1, 16850804
アップグレードとは、メインバージョン(前2桁)を上げることを言います。ちなみにvSphere 5や6は6.xというバージョンがありますが、6.5→6.7のように前1桁は同じものでも2桁目がかわるのでアップグレード扱いになります。
他のvCenterや他の異なるバージョンの互換性がなくなる場合が多いです。新機能の追加・機能廃止もメジャーバージョンで大きくことなります。
アップグレードを行うとそのあとのアップデートやビルド番号もかわります。
アップデート
VMware ESXi, 7.0.1, 16850804
バージョンのアップデートバージョン(3桁目)を上げることを言います。これは、vSphere ESXi x.x Update1などのように呼ばれることもあります。新機能の追加・機能廃止などの変更が多いです。
アップデートを行うとビルド番号も変わります。
パッチ適用
VMware ESXi, 7.0.1, 16850804
バージョンのビルド番号だけを上げることを言います。ビルバージョンより前の番号は変わりません。不具合対応やセキュリティフィックスのために行います。
ちなみに、7.0.1a、7.0.1bのように、アップデートの後ろにアルファベットが付くことが増えました。厳密なルールはありませんが、アップデート内のa→b→cもパッチ適用の範囲になるようです。
ファイルの違い
vSphere ESXiをインストールやバージョンアップをするときのファイルも複数あります。
インストーラー(ISOファイル)
Bootableとして利用できるインストーラーファイルです。MyVMwareからダウンロードできます。
VMware純正
正式な呼称がないためVMware純正としています。VMware社が配布しているvSphere ESXiのISOファイルです。製品ダウンロードタブに表示されるISOファイルになります。基本的にアップデートバージョン毎にISOが提供されています。DELL EMCやHPEなど各ベンダーの機器にこのISOを使ってインストールすべきではありません。
OEMカスタム
各サーバーベンダーさんが配布しているISOファイルです。MyVMwareのカスタムISOタブから取得できますが、各ベンダーさんのWebサイトでも配布されていることが多いです。
VMware純正のISOをもとに、各ベンダーさんが独自にドライバやユーティリティの追加・変更、すでに公開されているパッチファイルを追加しているISOファイルです。各ベンダーの機器には、カスタムISOを使うべきです。
VMwrae純正と同じくアップデート毎に公開されるパターンが多いですが、アップデートから次のアップデート期間が短いと飛ばされるものもあります。
どのような変更が加わっているのかも表示されます。
オフラインバンドル(ZIPファイル)
ISOをZIPにしたものイメージでしょうか。ISOからオフラインバンドルを作成したり、オフラインバンドルをISOに変換することができます。アップグレード・アップデートに使用することができます。
VMware純正
ISOを配布しているページに一緒に配布されいます。
OEMカスタム
ISOを配布しているページに一緒に配布されいます。
OEMアドオン(ZIP)
vSphere7から登場したファイルです。MyVMwareのOEMのアドオンタブからダウンロードできます。
下記のように説明されています。
VSphere 7.0 以降では、カスタム ISO イメージおよびオフライン バンドルに加えて、ベンダー アドオンのみを含む ZIP ファイル、つまりカスタム イメージと ESXi 基本イメージ間の差分が OEM によってリリースされます。OEM は、そのようなアドオンの ZIP ファイルを自分の判断でリリースすることができます。アドオンの概念の導入により、OEM のリリース サイクルが VMware のリリース サイクルから分離されます。
つまり、わざわざOEMカスタムのISOやオフラインバンドルを使わなくともOEMアドオンを使えば、メンバー個別のバージョンアップ(ドライバファイルなど)が可能です。
またアドオンファイルは、vSphere7からvLM(vSphere Lifecycle Manager)でも使用できます。
ちなみに、文言から同じバージョンであれば、OEMカスタムとOEMアドオンの変更点は同じかと思っていましたが、各ベンダーで同じだったり異なったりしていました。この辺りは各ベンダーが安定できていないのかなぜなのか・・・。
パッチファイル(ZIP)
パッチ適用を行うためのファイルです。下記からダウンロードできます。7より前は、メジャーバージョンの中に、アップデートバージョンとパッチが混在で表示されていましたが7からは、アップデートバージョンごとにパッチファイルが表示されるようになっています。
パッチファイルは、バージョンアップとしても利用できますが、バージョンアップにはオフラインバンドルを使用すべきでしょう。パッチファイルにはドライバファイルなども含まれますが、VMware純正です。OEMカスタムのオフラインバンドルの中にはベンダーが指定されているものが含まれています。
アップグレード・アップデート・パッチ適用の流れ
物理サーバーのvSphre ESXiのバージョンアップの手順は以下になろうかと思います。
- アップグレード or アップデート(OEMカスタムを使う)
- 最新のパッチファイルを適用
まとめ
なぜ、この辺りはちゃんとドキュメントとして公開されないのだろうか。