どうも、Tです。
先日、Veeam Backup & Replication Community Edition(以下VBR)をインストールしてみました。
今回は、VBRを用いてvSphereの仮想マシンのバックアップを取得してみます。
目次
環境
今回、下記の環境で確認しています。
vSphere環境
- VMware vCenter Server:8.0.1.00000(21560480)
- VMware vSphere ESXi:8.0.1, 21495797
VBR環境
- バージョン:VeeamBackup&Replication 12.0.0.1420
- インストール先環境:vSphere上の仮想マシン上のWindows
- OS:Windows 11 Pro バージョン22H2
- ホスト名:k-backup
バックアップ保存用ストレージ
- OS:TrueNAS Scale
- バージョン:22.12.3.3
- プロトコル:SMB
- ホスト名:k-turenas
Veeam Backup & Replication Community Editionの構成
VBRの構成
vSphereの仮想マシンをバックアップする構成では、VBRのバックアップの役割は大きく分けて、「バックアップサーバ」「プロキシ」「リポジトリ」3つにわかれているようです。
役割名 | 説明 | 役割先 |
バックアップサーバ | VBRがインストールされているサーバ。バックアップ設定などジョブを管理するコントロールセンタの役割を果たす。 | k-backup |
プロキシ | ジョブを処理しデータトラフィックの経由ポイントになる。「VMデータ取得」「圧縮」「重複排除」などを行う。 | k-backup |
リポジトリ | バックアップファイル保存先(ストレージ)。 「Windows,Linuxなどのローカルディスク」「NAS(SMB、NFS)」「ストレージアプライアンス」「オブジェクトストレージ」などになる。 | k-truenas |
VBRでは、どのサーバが役割を担うかを設定し、バックアップジョブでどの役割を使うを指定するのが基本的な設定方法になるようです。
VMwareバックアッププロキシ設定
下記のマニュアルに則り、プロキシの設定を行います。今回は、バックアップサーバとプロキシは同居構成のため確認だけ行っていきます。
バックアッププロキシサーバの追加
プロキシの役割となるサーバを追加します。今回は、バックアップサーバと同居のため確認だけ行います。
「Backup Infrastructure」->「Managed Servers」画面を開きます。
「k-backup」が存在していることを確認します。(VRBインストール時に自動的に登録されています。)
バックアッププロキシの役割の割り当て
プロキシの役割を与えます。
「Backup Infrastructure」->「Backup Proxies」画面を開きます。
「VMware Backup Proxy」が「k-backup」になっていることを確認します。(vCenterを接続したときに自動的に作られたかインストール時にすでに役割が割り当てられています。)
バックアップリポジトリ設定
今回は、リポジトリとしてTrueNASのSamba共有を使います。
下記のマニュアルは、ローカルディスクを使う場合の設定方法に記載されていますが、参考に乗せておきます。
バックアップリポジトリの役割の割り当て
「Backup Infrastructure」->「Backup Repositories」画面を開きます。
インストール時にk-backupがデフォルトリポジトリとしてすでに設定されています。
外部のSamba共有をリポジトリにしたいため、新しいリポジトリを追加します。
「Backup Repositories」を右クリックし「Add backup repository…」をクリックします。
「Netowrk attached storage」をクリックします。
「SMB share」をクリックします。
「Name」に任意のリポジトリ名を入力し「Next」をクリックします。
「Shared folder」にバックアップファイルを保存するパスを指定します。
「This share requires access credentials」にチェックを入れ「Add」をクリックします。
Samba共有にアクセスするために必要な「Username」「Password」を入力し「OK」をクリックします。
credentialsが正しく選択されていることを確認し「Next」をクリックします。
「Next」をクリックします。
「Limit~~」の項目は、同時タスク実行数や読書速度の調整が行えるようですが、今回はデフォルトで進めます。
「Next」をクリックします。
「Apply」をクリックします。
「Next」をクリックします。
「Finish」をクリックします。
バックアップジョブを設定するときのデフォルトを作成したリポジトリにする?ような確認があります。「No」をクリックします。
リポジトリが作成されたことを確認します。
バックアップジョブ設定
下記のマニュアルに則りバックアップジョブを作成します。
詳細なバックアップジョブのマニュアルは下記になります。
「Home」->「Jobs」を右クリックし「Backup」->「Virtual machine…」をクリックします。
「Name」に任意のバックアップジョブ名を入力し「Next」をクリックします。
「Add」をクリックします。
バックアップを行いたい仮想マシンを選択し「Add」をクリックします。CtrlキーやShiftキーを使い複数の仮想マシンを選択することが可能でした。
バックアップ対象の仮想マシンが選択されていることを確認し「Next」をクリックします。
「Backup proxy」「Backup repository」で設定したプロキシとリポジトリを指定します
「Retetion policy」でバックアップファイルを保持しておく日数かリストアポイントを指定し「Next」をクリックします。
「Advanced」からバックアップの細かい設定が行えます。
詳細は下記マニュアルを参照ください。
「Next」をクリックします。
「Enable application-aware processing」は、SQLサーバーなどアプリケーションのトランザクション一貫性にかんする設定です。詳細は下記を参照ください。
「Enable guest file system indexing」は、ゲストOS上のファイル・フォルダのインデックス作成に関する設定です。詳細は下記を参照ください。
「Run the job automatically」にチェックを付けて、自動バックアップを行う時間を設定し「Apply」をクリックします。
「Finish」をクリックします。
バックアップジョブが作成されました。
バックアップジョブ実施
設定した時間までまてなかったので手動でバックアップを実行します。
バックアップジョブを右クリックし「Start」をクリックします。
画面下部にバックアップステータスが表示されます。
バックアップ処理が進行中の画面です。
バックアップ中は仮想マシンのスナップショットが作成・削除などが実行されます。
vSphere Clientのタスクには下記のように表示されます。
バックアップが完了しました。
バックアップの確認
リストアポイントの確認
過去のバックアップのリストアポイントは、「Home」->「Backups」->「Disk」->「バックアップジョブ名」から確認することができます。
下記は3回バックアップジョブを実行した後なので、リストアポイントが3で表示されています。
取得した時間などは、リストア処理の中でしかみれないようです。
バックアップファイルの確認
Samba共有のほうでファイルを確認してみました。
リポジトリに指定したパスの配下にバックアップジョブ名のディレクトリが作成されています。
バックアップジョブ名のディレクトリ配下にそれぞれの仮想マシンごとにファイルが作成されています。
拡張子の意味は下記になります。
拡張子 | 意味 |
.vbk | フルバックアップファイル |
.vib | 増分バックアップファイル |
.vbm | バックアップジョブが管理するメタデータ |
まとめ
結構いろんなオプションがあるので、少しずつ試してみますかかね・・・。